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apacheの利用法

 自分のコンピュータをウェブページのサーバーとして動かすためには,そのコンピュータ上にあるファイルに対して別のコンピュータ等からウェブページとし て閲覧したいという要求があったときにその要求があったファイルを要求してきたコンピュータに提供してくれるソフトが必要となります.このようなサービス を行うソフトのことを http サーバーソフトといいます.
 http サーバーソフトには何種類かありますが,その中でも apache という名前のソフトが最も安定しており広く使われているのでここではこのソフトのインストール方法と運用上の設定について簡単に説明します.

apacheのダウンロード

 apache は代表的な http サーバーソフトとして開発と改良が進められており,現在のところ「1.3.??」というバージョンと「2.0.??」というバージョンの2つの系列があり ます.これらのうち2.0系列は最新技術を積極的に導入したバージョンで,1.3系列は問題の少ない技術のみを組み込み安定性を追及したバージョンなの で,今回はこの1.3系列の方をインストールするものとします.

 インストールするためにはそのファイルをダウンロードしないといけません.次の URL を netscape などのブラウザで開くと,apache のダウンロードページが開きますが,上で説明したように 2.0 系列と 1.3 系列の2種類がダウンロードできるようになっているので,ページの下のほうの1.3系列の項目から「Win32 Binary (Self extracting):」とかかれたものをダウンロードしてください.この文章を書いた時点では「apache_1.3.34-win32-x86-no_src.exe」というファイルがダウンロードされます.

Apacheダウンロードサイト:
 http://httpd.apache.org/download.cgi

apacheのインストール

 ダウンロードできたらダブルクリックして起動し,インストールしてください.基本的な手順は一般的なソフトのインストールと同じなので表示される文章を 読んだ上で「Next」などのボタンを押していってください.ただし,穂積のゼミで使用する場合においては講義の都合上次のように設定してインストールし てください.

 次の図のように「Server Information」と書かれた画面では http サーバーを動かすコンピュータの名前などを入力します.コンピュータをインターネットに接続した状態で外部にウェブを公開する場合はきちんと正しく設定し ないといけないのですが,今回はそのような使い方はしないので,図のように「Network Domain」「Server Name」の部分には「localhost」と入力し,「Administrator's Email Address」の部分には「username@localhost」などと入れておいてください.usernameの部分は各自の好きなように変更して もらってかまいません.
 また,その下の「Install Apache HTTP Server programs and shortcuts to:」の部分では HTTP サーバーをすべてのユーザーが使えるようにするか個人用で使うかを設定します.今回は必要なときだけ起動して使えればいいので,下側の「Run when started manually」の方を選んでおいてください.

設定画面1

 「Destination Folder」とかかれた画面ではこのソフトをディスクのどこにインストールするかを指定します.最初インストール先は「C:\Program Files\Apache Group\」となっていますが,「Program Files」や「Apache Group」といったスペースを含んだフォルダ名はトラブルの原因になりやすいので,UNIX でよく使われるフォルダ構成を真似て「C:\usr\local\」の中にインストールすることにします.この画面右端の「Change」ボタンを押して インストール先のフォルダ名を次の図のように「C:\usr\local\」となるように指定してください.このように指定するとインストール終了後 Apache.exe というファイルが c:\usr\local\Apache\Apache.exe にあるという状態でインストールされます.

インストール先

 この2つ以外については特に何も指定せずに「Next」などのボタンを押していけばインストールされるでしょう.

apacheの設定

 インストールが終われば自分の希望通りに動作するようにいくつかの設定 を行います.といってもゼミで使う範囲においてはほぼそのままの設定で問題ありません.ただし,そのままの設定では個人の用のウェブページのデータをかな り面倒な場所に作成・保存しないといけないので,もう少し楽な場所に作れるように設定したいと思います.そのような保存場所 (ウェブページとして公開する場所) は基本的にどこでもかまいませんが,日本語やスペースを含んだ名前のフォルダは後々トラブルの原因になりやすいのでお勧めしません.それ以外ならどのよう な場所のどのような名前のフォルダでもかまいませんが,特にこだわりがないなら D: ドライブを開いたところに 「httpd」 というフォルダを作りそのフォルダをウェブページ用のフォルダにしたいと思います.なお,このように定めた公開フォルダの中にあるファイルは apache が起動しているときなら外部のコンピュータからどのファイルでも自由に閲覧できるという点に注意してください.間違っても C: ドライブ全体やマイドキュメントを公開フォルダにしないでください.

 実際の設定は Apache フォルダ (c:\usr\local\apache\) の中の conf というフォルダの中にある httpd.conf というファイルに記述することで行います.D: ドライブ (なければ C: ドライブでも良い) に httpd というフォルダを作ったら,この httpd.conf を terapad 等のテキストエディタで開き,360行付近にある UserDir の指定先を次のように D:\httpd に変更してください (ここでは「\」と「/」は同じ意味で使われます).

<IfModule mod_userdir.c>
    UserDir "D:/httpd/"
</IfModule>

また,370行付近の記述の各行の先頭にかかれている「#」を削除し,1行目と3行目を次のように変更してください.これで D:\httpd の中のフォルダにおいてその中にあるファイルの一覧が表示されるようになり (Indexes),SSI機能が利用できるようになります (Includes).

<Directory "D:/httpd/">
    AllowOverride FileInfo AuthConfig Limit
    Options MultiViews Indexes SymLinksIfOwnerMatch Includes
    <Limit GET POST OPTIONS PROPFIND>
        Order allow,deny
        Allow from all
    </Limit>
    <LimitExcept GET POST OPTIONS PROPFIND>
        Order deny,allow
        Deny from all
    </LimitExcept>
</Directory>

 以上が Apache の基本的な設定です.

 apache を実際に動かすためにはスタートメニューのプログラムの中の apache の中の「Start apache in console」を選んでください. するとコマンドプロンプトのような画面が表示され,何かメッセージが表示されます. 表示されたメッセージが「Apache/1.3.31 (Win32) running...」 のようなものであれば正しく動作しています. それ以外が表示されたときには設定ファイルがどこかおかしいので記述ミスなどがないか確認してください.

 apache が動いたらウェブサーバーとして正しく動いていることを確認しましょう.上で作成した httpd フォルダの中に自分のユーザー名のフォルダ (フォルダの名前は自由ですが,日本語とスペースは使わないように) を作成し,その中に簡単な html ファイルを作成して保存してください.

 その上で netscape などのブラウザを起動し,プロキシの設定を切った状態 (直接接続の状態) でブラウザのアドレス欄に

http://localhost/~ユーザー名/

と入力して Enter を押してください (ユーザー名の部分は上で作成したフォルダの名称を入れること). それによってそのユーザー名のフォルダの内部にあるファイルの一覧が表示され,先ほど作ってもらった html もその中にあるはずなのでそれをクリックして正しく表示されたら OK です.これでサーバーにアップロードしなくてもウェブページの動作確認が行えますので,様々なページ作成に自由に挑戦してください.


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